高校を卒業しニート生活へ。就職しようとしたきっかけとは。

私は現在40歳ですが、高校を卒業してから5年間はアルバイトもせず自宅に籠っていました。こうなってしまったきっかけは高校の時に受けた就職試験がすべて不合格になってしまったことです。高校で就職が決まらなければ進学するしかありませんが、大学に行く程の頭もなかったのでとりあえず専門学校に通うことにしました。ホテルビジネスの専門学校でしたが、ホテルの実習が多く現場で厳しく指導されるのが苦痛になり二か月で辞めてしまいました。

それからは何もやる気力が起こらず、自宅でゲームばかりやる日々を過ごしていました。当初は両親も私に就職しろと言っていましたが、諦めたのか次第に言わなくなりました。それから両親との会話もなくなり、食事は常に自分の部屋で食べ、一日親ともまったく話さないことが多くなりました。

それから月日は流れ23歳になった時の事です。一通の私宛の葉書が届いたのですが、それは高校の同窓会の通知でした。私は相も変わらず引き籠り状態でしたが、これでも高校時代は友人も多く部活は陸上部に所属して楽しい学園生活を過ごしていました。高校を卒業して五年経過していて、仲の良かった友達とは以来会ってはいません。こんな状況では同窓会には行けないのですが、久しぶりに会って語り合いたいと思うようになり思い切って同窓会に行くことにしました。

同窓会はホテルで行われ、私の年代の同窓生が皆駆けつけていました。五年振りでしたが会うと高校時代に戻ったような感じですぐに昔のあだ名で呼び合いました。五年前に戻ったかのような楽しいひと時を過ごしたのですが、私と仲の良かった親友や好きだった女の子などいつの間にか結婚していると聞き、何か自分だけ置いてけぼりを喰った感じがして自己嫌悪に陥ってしまいました。

担任の先生もいて今何をしているのだと言われたのですが、高校時代、親身になってくれた先生に嘘はつけないと正直に無職であることを伝えました。すると先生から今知り合いの会社の社長が若い人を探しているから一度連絡してみないかと言われたのです。私はその話に乗り後日、その会社に連絡すると先生は既に社長さんに口添えしていたようで、私の名前も既に知っていたのです。

そして面接を受けて無事採用が決まりました。水産加工の会社で工場で現場作業となります。当初は流れ作業が中心で比較的楽でした。しかし期間が経ち慣れてくると機械操作など覚えることが多くなり、発注など任されるまでになりました。会社は人手が足りないようで残業もかなりあって大変ですが、担任の先生から紹介でせっかく採用して貰った会社を簡単に辞める訳にはいかないと必死になって頑張りました。

それから現在もこの会社で働き、現在では課長となりました。結婚もし、娘も生まれたばかりです。振り返ってみると私のような引き籠りが課長にまでなり結婚して家庭を設けられたのは偶然の何ものでもありません。あの時引き籠りでありながら同窓会に参加したことで、昔の仲間に刺激を受け、先生に助けて頂いたことで今の自分があるのです。